前回は「もの忘れ外来」に行った経緯を、
今回は「もの忘れ外来で行われること~付き添いの立場から」について書くつもりでしたが、
その前に、受診前に気になった「もの忘れ外来でやることと、受診費用」について書きたいと思います。

母が一番気になったことは、「何かわからない検査をされて、認知症と診断されてしまうこと」だったようです。

どちらかと言えば感情優先のタイプなので、説明しても気持ちが変わらないとは思いましたが、少しでも受診のハードルを低くするために、事前に調べて説明をしました。

受診を予定されている方、迷われている方は、あくまで参考にしてください。

 

1、最初に押さえておいていただきたいこと。

国民健康保険や高額療養費制度の適用で個人負担額は変わってきます。
75歳以上の後期高齢者は、治療費の1割を負担することになります。
70歳から74歳の高齢者は治療費の2割を負担することになります。
それ以外の70歳未満の方は3割を負担することになります。

また所得や様々な制度の利用によって個人負担の割合が変わることがあります。

母は後期高齢者の年齢なので、1割負担の計算でこちらに書きますが、それぞれの年齢や条件に合わせて算出してくださいね。

 

2、専門医による問診・チェックテスト

専門医が問診中の会話の様子を観察したり、認知症スケールを用いた検査をしたりする費用です。
10割負担で10,000~30,000円、
なので、1割負担では1,000円~3,000円くらいです。

 

3、画像による検査

脳の萎縮があるかどうかや、脳血管の様子、血流の測定のために行われます。

◎ CT検査
CT検査はエックス線を使い、脳を輪切りして撮影します。認知症と疑われている本人の脳が委縮を確認することができます。

また脳腫瘍や脳梗塞などの有無を検査することもできます。15000円~20000円、つまり1割負担で1500円~2000円前後です。

◎ MRI検査
MRI検査は、CT検査とは異なり、放射線を使わない検査方法です。人体の磁気共鳴作用を利用して、縦、横、輪切りによる撮影が可能なことから脳を三次元的に分析することができます。

CTより高度な技術の検査といえます。15000円~30000円、つまり1割負担で1500円~3000円前後です。

◎ SPECT検査
SPECT検査は脳の血流状態を画像で見ることのできる検査方法です。アルツハイマー型痴呆症患者の脳は、血流の減少があるので、血流の減少部位を確認するために検査します。80000円~100000円、つまり1割負担で8000円~10000円前後です。

後でも述べますが、これらの検査は必ずやるという訳ではなく、問診で必要と専門医が判断した場合のみです。

 

4、身体検査

身体検査の中でも、血液検査で代表的なのが、MCIスクリーニング検査APOE遺伝子検査があります。

MCIスクリーニング検査・・・アルツハイマー病の原因物資「アミロイドβペプチド」が血液にどれだけ含まれているのかをチェックします。
結果がわかるまで2週間ほどかかり、10割負担なら15000円~25000円、1割負担で1500円~2500円前後です。

〇APOE遺伝子検査・・・アルツハイマー病や認知機能低下に関与する重要な遺伝子であるAPOE遺伝子の型を調べて、認知症の発症リスクを推定する検査です。こちらも結果がわかるまで2週間ほどかかります。10割で15000円~20000円、つまり1割負担で1500円~2000円前後です。

 

5、脳波検査

脳波検査は、脳から出る微弱な電気を計測することによって脳の働きをチェックする検査です。

脳腫瘍、頭部外傷、脳血管障害、睡眠の異常などを発見できます。6000円~9000円、つまり1割負担で600円~900円前後です。

 

6、事前の問い合わせ

調べてはみたものの、これだけの数の検査をやるとは思えませんでした。
なので、この知識を持って、直接お電話してみました。

やはり、実際にあって、どの検査を選んでいくかで予算は違うそうで、それでも初診なので、
3,000円~10,000円ぐらいでお考え下さい。ただ、3,000円かからない場合もあります、と言われました。

 

7、初診で実際かかった費用

今回は問診と採血だけだったので、お会計は2,000円以下でした。
次の記事で詳しく書きますが、やはりいろいろな角度からの検査が必要な方はもう少しかかるかもしれません。
ただ、かかると言っても問診+画像診断の費用を前もっていただく場合のようです。
(母が受診した病院は、画像診断が必要になる場合、機器がある場所で撮影してきてもらうそうです。初診以降になることがほとんどなため、事前に費用をもらうことはほぼないそうです。)

いかがでしょうか?
個人的には、どの検査がどのことを知りたくて行われるのか、受診をためらっている方も知った方がいいかな、と思っています。
ただ、余計に不安になりそうな方であれば、伝えるのも様子をみて行ってください。

あくまで「受診される方」の不安を取ることが伝えることの目的ですので。

 

次回は、ようやく、受診についてのことを書こうと思います。